Q&A

詞書では「落ちた扇と蝶、枕をはさんで対称」とありますが、この対象の判断が難しい。
あやめ連では扇の中心と蝶の中心を結んだ直線が枕に少しでもかかっていれば対象としています。
・扇の中心:地紙と骨の境目、骨の3番目と4番目の間あたり
・蝶の中心:臍(胴の出っ張り)あたり


     直線①と②の間が対象範囲

サイコロを振って、先に投げる方は「何て言うのか」話題になりました。正しくは先方(センポウ)です。
先攻(センコウ)、先行(センコウ)、先鋒(センポウ)と誤解している方がいましたので調べてみました。
・先方:相手の方や相手先を指す敬語(ビジネス)
・先攻:相手より先に攻撃する権利を有すること
・先行:他の人に先立って行くこと
・先鋒:一番最初に戦うので、チームに勢いをつけていい流れを作る存在(剣道)
どれも似たようで、当てはまりませんね。先方の対語は「当方」ですし、後方の対語は「前方」です。
先攻が分かり易いと思いますが、攻撃は投扇興には相応しくありません。

なお、振った後のサイコロは先方に寄せて置いておきます。席替えの後、次にどちらが投げるのか分かるように(サイコロのある方)します。

蛍(13点)は早蕨(10点)の状態で『蝶が扇の要または親骨から替幅1つ分以内に立っている』ことが条件です。この時に測る距離は蝶のもっとも近い部分です。下図の場合は、aの距離ですが、ともすれば、台座との距離bを測りがちなので注意が必要です。

椎本は「扇は要側を上にして枕にかかり、蝶は枕または扇から替幅1つ分の側に立つ」(18点)。
【蝶が隠れれば5点増】(23点)

椎本は蝶が扇と同じ側に立つのが普通ですが、枕の反対側に立つケースもあります。この時、若紫(13点)、明石(15点)と判断が迷いますが、蝶が替幅1つ内に立(大きな椎の木の下)っているかもチェックする。

個人戦の時は、1試合(10投)の合計がマイナスになった場合には0点として扱い『無点』と呼びます。4試合の合計に対しても0点として計算します(マイナス計算はしない)。また、両者ともに無点となった場合には「一扇追投」となります。

団体戦の時は、1試合(25投)の合計がマイナスになった場合には0点として扱い『無点』と呼びます。

団体戦の1試合は5人が交互に投げて終わりますが、投げ終わった時の口上が5人目は異なります。
要するに5人が投げて終わって、1試合が終わるからです。途中は単なる人の交代合図です。
・第一投者はA連先方です、両者礼。~ 第一投者終了、両者礼。
・第二投者はB連先方です、両者礼。~ 第二投者終了、両者礼。
・第三投者はA連先方です、両者礼。~ 第三投者終了、両者礼。
・第四投者はB連先方です、両者礼。~ 第四投者終了、両者礼。
・第五投者はA連先方です、両者礼。~ これにて一席満投

須磨(6点)は「扇は枕にかかり、反対側に落ちた蝶」とありますが、反対側の判断が難しい!
①扇の面を確認(手元の扇で方向を示す
②面に対して垂直(90度)に対峙し、仮の光を当てる
③枕の影を探す(手元の扇で左右の影の方向を示す
④蝶が影に半分以上入っているか

初音(9点)は「蝶は枕の上で倒れ、扇は要側を上にして枕の手前にかかる」ですが、枕の角に掛かった場合に、手前の判断に迷う。また、減点となる「要が枕上から外れる」も見逃しやすい。

なお、手前以外は常夏(5点)となりますが、扇が両褄上がりでかかった場合は15点です。

テレビゲームやインターネットは相手と直接面と向かわなくても1人で楽しむことができますが、投扇興は基本的に5人以上が揃わないと出来ません(人数が足りないときは何役もこなして、最低でも3人)。
 ・投者:2人、銘定行事:1人、字扇取り:1人、書記:1人
あやめ連では「人と人のつながり」を大事にし、勝ち負けよりもコミュニケーションに重きを置いています。
会えば「お元気ですね」と安心感が沸き、雑談の中からも「信頼感」が生まれます。対戦を通じて自分の欠点を自覚し、相手の良いところを見つけて、技術だけでなくその人の思いや考えを尊重するようにしています。
「人とつながる力」を積み重ねることで、他連との交流が深まったり投扇興以外にも興味を持つことができます。お互いの価値観の違いを認識し、技を競争する楽しさがあると思います。

扇は使うほどに要が緩んできて、思うように飛ばせなくなります。扇屋に持ち込んで、調整することも可能ですが費用が掛かりますし、何回も調整(修理)できるわけでもありません。簡単な調整として、要の押さえ(黒いプラスチックのようなもの)をペンチで強く挟んで締めこむ方法がありますが、この方法も限界があり何度も繰り返すと扇が壊れてしまいます(竹の部分が割れる)。
別の方法として「液体ゴム」をほんの1滴、水で薄く溶かして要部分に塗り「弱い粘着力」で扇が閉じにくいように工夫します。ただし、あまり粘着力が強いと竹と竹が接着して開きにくくなるので注意が必要です。

  *液体ゴム:軍手のすべり止めとして手のひら部分に塗られているもので市販されている